【理学療法士について!】資格概要・取得方法・費用や期間も紹介
2023.12.04掲載
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お役立ち情報介護・福祉の情報職種を解説
理学療法士は、リハビリが必要な方の一人一人に医学的・社会的視点から日常生活の自立を目指せるようにリハビリプログラムを作成、立案するお仕事です。
理学療法士になるには「国家試験」に合格し免許を交付してもらう事が必要です。

今回はそんな理学療法士の資格取得方法からお仕事内容等を詳しく紹介いたします!

 




項目

  1. 理学療法士とは?
  2. 理学療法士になるには?
  3. 理学療法士取得までの費用や期間
  4. 理学療法士の働き方
  5. まとめ

1.理学療法士とは?

身体の機能回復を手助けするリハビリの専門家
理学療法士は英語表記でPhysical Therapist(PT)とも呼ばれます。病気やケガなどで身体に障害のある人や、その発生が予測される人に対して基本動作能力(起き上がる、立つ、歩く、寝返るなど)の回復や維持を図るための適切なプログラムを作成します。言わば、医学的リハビリテーションの専門職です。

 

2.理学療法士(PT)になるには?

理学療法士になるには主に
■大学4年制ルート
■短期大学3年制ルート
■専門学校3年制・4年制ルート
上記3つのルートにて理学療法士の養成校(大学、短期大学、専門学校)へ通い、必要な課程を修了する必要があります。最短で3年で国家試験を受けることが出来ます。

下記では理学療法士になるまでの道のり、理学療法士の学校の選び方、理学療法士を目指す学校の学費、理学療法士の働き方などをご説明します。

 
上記の図にあるように理学療法士になるにはまず高校卒業課程認定資格が必要になってきます。
何らかの事情で高校へ入学出来なかった方や、卒業が出来なかった方でも高校卒業課程認定試験に合格し、取得できれば大学や短期大学、専門学校へ入学する事が出来ます。
また、理学療法士の資格取得には年齢制限はないので、社会人の方が働きながら昼間、または夜間の養成校にて必要な課程を修了する事もできます。

 ■大学4年制ルート
4年制大学は福祉や医療特化した学科や学校があり、スポーツリハビリ、内部障がい、介護予防、運動器、基礎医学、小児、神経系などの理学療法に関連する専門的な分野を4年間かけてじっくりと学ぶことができます。

4年制大学で理学療法士を目指すメリットとしてはカリキュラムが充実しておりじっくりと専門的な分野を学ぶことが出来る。また逆にデメリットとしてはその分、学費が多くかかるという点があります。


 短期大学3年制ルート
短期大学は最短で現場を目指したい!それにプラスし教養も学びたい!という方にオススメです。
4年制大学と同じように、専門科目とともに教養科目なども学べますが、3年間しか学べる期間がないのでカリキュラムとしてはとてもタイトになってきます。
短期大学卒業後には「短期大学士」の学位が授与されます。この短期大学士は就職するにあたり、「大学卒」と同じように扱われる事もあるので就職に有利だとされています。

短期大学で理学療法士を目指すメリットは最短の3年で免許を取得できるチャンスがあるという事と大学同様の教養科目が学べ、大学卒として扱われる事があることです。デメリットとしては、現在全国に理学療法士を学べる短期大学が5つしかないので選択肢がかなり限られることになります。

 専門学校3年制・4年制
専門学校の3年制は短期大学と同様、最短で現場を目指したい方にオススメです。大学で学ぶような教養科目の講義もありますが、専門的科目を集中的に学ぶカリキュラムになっていますので効率的な勉強を行う事ができます。また、理学療法士免許を取得する為の国家試験対策や、就職支援がしっかりとしているところも良い点です。

専門学校3年制で理学療法士を目指すメリットは短期大学同様に最短で免許を取得できるチャンスがある事と全国的に養成校の数が多いので、たくさんの選択肢の中から学校が選べ、入学定員の枠が広く、入学試験の難易度も高い傾向ではないので入学しやすい傾向にはあります。デメリットとしては3年という短い期間の中に覚える事がたくさんあるので、勉強面で大変になってきます。また就職が決まってからの初任給でも多少差が出てくる場合もあります。

 

3.理学療法士取得までの費用や期間

ルートによって異なる為下記の表を参考にして下さい


※上記表はあくまで目安の為、学校等によって異なるので詳細の金額等は、各学校にお問い合わせください。

 ■資格取得に一番金額が安いルートは、国立大学4年制ルートになります。
  その次に安いルートは短期大学、専門学校、私立大学となります。

 ■資格取得に一番期間が短いルートは、短期大学、専門学校3年制になります。
  
 ※夜間学校は働きながら理学療法士を目指す方に向いてます。夜間学校は3年制と4年制があり、働きながらの通学になるので、学費などの金銭面を考慮するとメリットも大きくなりますが、昼間と比べて授業の時間が短くなるため、勉強時間のやりくり、職場の理解、実習を受ける為の長期休みの調整等が必要になってきます。

【理学療法士試験】
  ・年1回
  (※解剖学や生物学などの「一般問題」と運動学や臨床心理学などの「実地問題」の2科目によって構成。280点満点で、一般問題160点満点、実地問題120点満点の配分になります。)
  ・試験の日程 毎年2月下旬。午前と午後があり計320分。出題数200問。
  ・受験料:10,100円
  ・登録料:登録免許税9,000円

 

4.理学療法士の働き方


■理学療法士の仕事内容

理学療法士の仕事内容は、
「検査測定・評価」「運動療法」「物理療法」「補装具の適合判定」「住環境の調整・整備」「他の専門職種との連携」「記録作成」に分類されます。
理学療法士によるリハビリは医師の指示の下で行われていきます。
下記では項目別に具体的な仕事内容をご紹介します。

「検査測定・評価」
リハビリを実施する前に、まずは患者様の状態を確認して今後の治療方針を立てます。基礎疾患や既往歴、生活状況等、身長体重、手足のサイズ、心電図、血圧、筋電図、運動機能(筋力、持久力、柔軟性、敏捷性、平衡性など)神経機能などを検査します。
その検査の結果から必要なリハビリのプログラムを設計し、医師やその他の専門職と協議をし今後の治療方針と目標を決定します。

「運動療法」
運動療法とは、患者様自身の力、または理学療法士による手技や器具によって患者の身体を動かすことによって筋力、持久力、柔軟性、敏捷性、平衡性などの機能の改善を目指すことです。
代表的な運動療法には関節可動域運動、筋力増強運動、筋持久力運動、協調性運動、バランス運動、全身持久力運動などがあります。また座る・ベッドから起き上がる・立つ・歩く・食事を取る・衣服を着替えるといった日常生活動作を練習する事も運動療法の一部となります。
患者様の普段の生活や社会への復帰を目的にサポートしていきます。

「物理療法」
物理療法とは、電気や光線、マッサージなど外部から刺激を与えることで、運動機能を回復したり、痛みの軽減、血液循環や筋機能の改善を目指すことです。
代表的な物理療法には、患部を温める温熱療法、患部を冷やす寒冷療法、超音波などで刺激を与える電気療法、水の浮力や水流を利用する水治療法、または身体へのマッサージを行う事もあります。

「補装具の適合判定」
義肢や装具、杖、車椅子などの補装具が必要な患者様の適合判定や調整、着脱や使用方法の指導を行います。義肢や装具などの採寸・採型・製作は義肢装具士がおこない、その過程で理学療法士と連携する事も多々あります。

「他の専門職・患者様家族との連携」
リハビリを実施するには他の専門職との連携が必要不可欠となってきます。医師や看護師、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士、心理職、ソーシャルワーカー、ケアマネージャーなどと連携し、協力しながら今後の治療方針などを決めていきます。
また、患者様の家族に対するコミュニケーションや指導も重要な役割の一つになります。患者様が退院後、ご自宅で家族が介護する際に体を痛めることが無いよう、正しい介助方法を指導します。

患者様の住宅環境の調査・整備
患者様が退院後に家庭や社会生活で自分自身の力で過ごすことが出来るようなアドバイスを行うことも仕事の一環です。
退院後の日常生活で不便がないよう、患者様の御自宅へ訪問し屋内や周辺環境を調査することもあります。必要に応じて、手すりの設置や段差の解消、介護用ベッドの提案を行います。

記録作成
リハビリの所要時間や実施内容、評価内容、改善点などを毎回のリハビリ後に作成します。


■理学療法士の活躍の場

主に下記の様な場所で活躍されている方が多いです
・医療機関(総合病院、一般病院、クリニックなど)
・入所・通所施設(高齢者介護施設、リハビリデイサービスなど)
・障がい児、障がい者施設(放課後等デイサービスなど)
・行政機関(福祉センター、保健センターなど)
・教育・研究機関(理学療法士の養成校、理学療法学研究施設など)
・企業(医療・介護福祉器具メーカー、スポーツメーカー、ベッドメーカーなど)
・スポーツトレーナー(プロチームや企業チームなど)


■理学療法士の平均給料は?

理学療法士の初任給
理学療法士の初任給は男女ともに平均約24万円程度となります。これは厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」の経験が0年の理学療法士の給与を参考にしたものとなります。
賞与が約5.7万円となるため、年収は約290万円程度となります。


                            厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査

理学療法士の平均年収は年齢が上がるにつれて上がっていく傾向にあります。20代前半ではおおよそ320万円、後半になると約370万円になります。また30代前半になると約400万円、後半では420万円となり、平均年収の430万円に達するのは40代頃となります。
理学療法士の最高年収は900万円~1,000万円程で、これは医師と並ぶくらいの年収に相当します。

 

5.まとめ

理学療法士として働くためには、「理学療法士国家試験」を受験し免許を取得する必要があります。
障害を持っている方に対して基本的な動作の回復を図る専門職として、キャリアアップも目指せ将来性もある仕事として働く事が可能です。
理学療法士として成長・活躍できる職場が見つかると良いですね!

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