【作業療法士について!】資格概要・取得方法・費用や期間も紹介
2024.01.09掲載
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お役立ち情報介護・福祉の情報職種を解説
作業療法士は、リハビリが必要な方の身体機能のリハビリ治療、日常生活における食事や着替えトイレなど社会に復帰する訓練や、精神・心理面など社会的視点から日常生活の自立を目指せるようにリハビリプログラムを立案、提供するお仕事です。
作業療法士になるには「国家試験」に合格し免許を交付してもらう事が必要です。

今回はそんな作業療法士の資格取得方法からお仕事内容等を詳しく紹介いたします!

 




項目

  1. 作業療法士とは?
  2. 作業療法士になるには?
  3. 作業療法士取得までの費用や期間
  4. 作業療法士の働き方
  5. まとめ

1.作業療法士とは?

身体と精神的な回復を手助けするリハビリの専門家
作業療法士は英語表記でOccupational Theraphist(OT)とも呼ばれます。病気やケガなどで身体に障害のある方や、精神障害がある方に対して理学療法で獲得した(起き上がる、立つ、歩く、寝返る)動作をさらに一歩進めて、応用的動作能力(食事、着替え、トイレ、洗顔、家事、字を書くなど)、基本的動作能力(運動、感覚、知覚、心肺や精神、認知などの心身機能)、社会的適応能力(地域への参加・就労・就学)の回復や維持を図るための適切なプログラムを作成します。言わば、医学的リハビリテーションの専門職です。
リハビリテーション専門職の中で、精神障害がある方へ唯一治療が行える職種です。うつ病、統合失調症などの精神障害も含めた、心身のリハビリテーションができるのが特徴です。
発達障害分野では、小児脳性麻痺、精神発達遅滞、自閉症、ADHD、知的障害児の社会参加を支援をします。
精神病院や介護施設などでも、その専門性を発揮しています。

 

2.作業療法士(OT)になるには?

作業療法士になるには主に
■大学4年制ルート
■短期大学3年制ルート
■専門学校3年制・4年制ルート
上記3つのルートにて作業療法士の養成校(大学、短期大学、専門学校)へ通い、必要な課程を修了する必要があります。最短で3年で国家試験を受けることが出来ます。

下記では作業療法士になるまでの道のり、作業療法士の学校の選び方、作業療法士を目指す学校の学費、作業療法士の働き方などをご説明します。



上記の図にあるように作業療法士になるにはまず高校卒業課程認定資格が必要になってきます。
何らかの事情で高校へ入学出来なかった方や、卒業が出来なかった方でも高校卒業課程認定試験に合格し、取得できれば大学や短期大学、専門学校へ入学する事が出来ます。
また、作業療法士の資格取得には年齢制限はないので、社会人の方が働きながら昼間、または夜間の養成校にて必要な課程を修了する事もできます。

 ■大学4年制ルート
4年制大学は、作業療法に関連する包括的な専門知識を獲得することができます。これには生理学、解剖学、心理学、発達心理学などの基本的な科目から、作業療法の理論や実践に関する高度な知識までが含まれます。別分野の知識も身につけれるので語学や一般教養を含めたさまざまな科目も選択しながら履修します。さらに学びを深めたい人は大学院に進学することも可能です。

4年制大学で作業療法士を目指すメリットとしてはカリキュラムが充実しておりじっくりと専門的な分野を学ぶことが出来る。また逆にデメリットとしてはその分、学費が多くかかるという点があります。


 短期大学3年制ルート
短期大学は最短で現場を目指したい!それにプラスし一般教養も学びたい!学費を抑えたい!という方にオススメです。
4年制大学と同じように、専門科目とともに教養科目なども学べますが、3年間しか学べる期間がないのでカリキュラムとしてはとてもタイトになってきます。
短期大学卒業後には「短期大学士」の学位が授与され、4年制大学の4年次への編入できる制度があります。
この短期大学士は就職するにあたり、「大学卒」と同じように扱われる事もあるので就職に有利だとされています。

短期大学で作業療法士を目指すメリットは最短の3年で免許を取得できるチャンスがあるという事と大学同様の教養科目が学べ、大学卒として扱われる事があることです。デメリットとしては、現在全国に作業療法士を学べる短期大学が2024年4月から2校しかないので選択肢がかなり限られることになります。

 専門学校3年制・4年制
専門学校の3年制は短期大学と同様、最短で現場を目指したい方にオススメです。専門的科目を集中的に学ぶカリキュラムになっていますので効率的な勉強を行う事ができます。また、3年制の専門学校は履修期間が1年短いので、そのぶん学費は安くなります。デメリットとしては3年という短い期間の中に覚える事がたくさんあるので、勉強面で大変になってきます。また就職が決まってからの初任給でも多少差が出てくる場合もあります。

専門学校の4年制は3年制よりも学ぶ期間が長い分余裕持って勉強することができます。国家資格試験対策もじっくりと取り組むことができる為、教員が積極的にサポートしてくれる学校もあるので試験に受かるか不安という方でも学んでいくことができます。また、4年制の専門学校を卒業すると「高度専門士」が授与され大学卒業と同等の学力があると認められ大学院へ進学も可能となります。デメリットとしては 4年制のプログラムは、3年制と比較して学習期間が長いため卒業までに時間がかかってしまい学費が高くなってしまいます。現場に出るのが遅くなるので将来のキャリアを開始するまでの期間を延ばすことになります。

専門学校で作業療法士を目指すメリットは実務に役立つ専門知識を集中的に学ぶのでいち早く知識を身につけられます。職場で作業療法士の仕事を体験できたり、国家試験対策や就職支援を重視しているところが良い点です。また、全国的に養成校の数が多いのでたくさんの選択肢の中から学校が選べ、大学に比べて比較的入学しやすい傾向にはあります。デメリットとしては専門外の一般教養がないため幅広い分野の学習が行えない事となります。


3.作業療法士取得までの費用や期間

ルートによって異なる為下記の表を参考にして下さい

※上記表はあくまで目安の為、学校等によって異なるので詳細の金額等は、各学校にお問い合わせください。

 ■資格取得に一番金額が安いルートは、国立大学4年制ルートになります。
  その次に安いルートは短期大学、専門学校、私立大学となります。

 ■資格取得に一番期間が短いルートは、短期大学、専門学校3年制になります。
  
 ※夜間学校は働きながら作業療法士を目指す方に向いてます。夜間学校は3年制と4年制があり、働きながらの通学になるので、学費などの金銭面を考慮するとメリットも大きくなりますが、昼間と比べて授業の時間が短くなるため、勉強時間のやりくり、職場の理解、実習を受ける為の長期休みの調整等が必要になるので仕事が制限されてしまいます。

【作業療法士試験】
  ・年1回
  (※解剖学や生理学などの「一般問題」と運動学や臨床心理学などの「実地問題」の2科目によって構成。280点満点で、一般問題160点満点、実地問題120点満点の配分になります。)
  ・試験の日程 毎年2月下旬。午前と午後があり計320分。出題数200問
  ・受験料:10,100円
  ・登録料:登録免許税9,000円

 

4.作業療法士の働き方


■作業療法士の仕事内容

作業療法士の仕事内容は、
基本的動作能力」「応用的動作能力」「社会的適応能力」「生活や環境づくりに分類されます。
作業療法士によるリハビリは医師の指示の下で行われていきます。
下記では項目別に具体的な仕事内容をご紹介します。

「基本的動作能力」
運動、感覚・知覚、心肺、精神・認知機能など、心身機能の向上を目指してサポートしていきます。
病気やけがの初期の段階で早期のリハビリテーションを開始し、日常生活に必要な運動能力を高めたりレクリエーションや創作活動なども取り込み感情表現の発達を即したりします。

「応用的動作能力」
食事、トイレ、着替え、調理や掃除などの家事、貴重品の管理、散歩や買い物に出かける練習などを行います。
生活していくために必要な能力の獲得を目指して求められる活動や日常生活で必要な活動をサポートしていきます。

「社会的動作能力」
地域活動への参加、就学・就労への復帰、趣味活動や創作活動などの支援を行います。 
書字や計算、パソコン操作、絵画や陶芸、対人技能訓練、地域のコミュニティへの参加、生活圏拡大のための外出活動、職業訓練や通勤時の公共交通機関の利用、銀行や役所など各種社会資源の利用など、より豊かに生きるために住み慣れた場所でその人らしく生活を送れるようにサポートしていきます。


■作業療法士の活躍の場

主に下記の様な場所で活躍されている方が多いです

身体障碍領域 大学病院、総合病院、一般病院、クリニック、リハビリテーションセンター、身体障害者福祉センター、保健所、保健センター
精神障害領域 精神科病院、精神科デイケア、精神障害者支援センター、精神障害通所授産施設
老年期障害領域 介護老人保健施設(老人ホーム)、特別養護老人ホーム、デイケア(通所リハビリステーション)訪問看護ステーション、在宅介護支援センター
発達障害領域 発達障害児支援センター、一般病院や総合病院の小児科、児童福祉施設、特別支援学校、児童福祉施設、特別支援学校、保育所、母子通園施設、障害者更生施設


■作業療法士の平均給料は?

作業療法士の初任給
作業療法士の初任給は男女ともに平均約24万円程度となります。これは厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」の経験が0年の作業療法士の給与を参考にしたものとなります。
賞与が約5.8万円となるため、年収は約293万円程度となります。



作業療法士の平均年収は年齢が上がるにつれて上がっていく傾向にあります。20代前半ではおおよそ320万円、後半になると約380万円になります。また30代前半になると約400万円、後半では約440万円となり、平均年収の465万円に達するのは30代後半~40代頃となります。
作業療法士の最高年収は700万円程です。

 

5.まとめ

作業療法士として働くためには、「作業療法士国家試験」を受験し免許を取得する必要があります。
障害やリハビリが必要な方に対して基本的な動作の回復を図ると共に社会復帰を支援をする専門職として、キャリアアップも目指せ将来性もある仕事として働く事が可能です。
作業療法士として成長・活躍できる職場が見つかると良いですね!

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