【言語聴覚士について!】資格概要・取得方法・費用や期間も紹介
2024.05.02掲載
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言語聴覚士は、言語や聴覚に関連する障害や問題を専門とする医療・教育の専門家です。彼らは、幅広い年齢層や状況の人々に対して、コミュニケーションや聴覚の機能の向上を支援し、生活の質を向上させる役割を果たします。
ここでは、言語聴覚士の主要な業務や役割を5つの項目に分けて詳しく説明していきます。

今回はそんな作業療法士の資格取得方法からお仕事内容等を詳しく紹介いたします!

 




項目

  1. 言語聴覚士とは?
  2. 言語聴覚士になるには?
  3. 言語聴覚士取得までの費用や期間
  4. 言語聴覚士の働き方
  5. まとめ

1.言語聴覚士とは?

言語や聴覚、音声、嚥下、認知などの機能に障害のある方を支援するリハビリの専門家
言語聴覚士は英語表記でSpeech Theraphist(ST)とも呼ばれます。言語やコミュニケーション、聴覚に関する障害や問題を専門的に評価し、治療・支援を行う専門家です。彼らは、幼児から高齢者まで、さまざまな年齢層や状況の個人に対してサービスを提供します。
個々のニーズや状況に応じて幅広いスキルと専門知識を活用して、患者やクライアントのコミュニケーション能力や生活の質を向上させる重要な役割を果たしています。

2.言語聴覚士(ST)になるには?

言語聴覚士になるには主に
■大学4年制ルート
■短期大学3年制ルート
■専門学校3年制・4年制ルート
■専門学校2年制・養成校2年制
上記4つのルートにて言語聴覚士の養成校(大学、短期大学、専門学校)へ通い、必要な課程を修了する必要があります。4年制大学卒業後、最短で2年で国家試験を受けることが出来ます。

下記では言語聴覚士になるまでの道のり、言語聴覚士の学校の選び方、言語聴覚士を目指す学校の学費、言語聴覚士の働き方などをご説明します。



上記の図にあるように言語聴覚士になるにはまず高校卒業課程認定資格が必要になってきます。
何らかの事情で高校へ入学出来なかった方や、卒業が出来なかった方でも高校卒業課程認定試験に合格し、取得できれば大学や短期大学、専門学校へ入学する事が出来ます。
また、言語聴覚士の資格取得には年齢制限はないので、社会人の方が働きながら昼間、または夜間の養成校にて必要な課程を修了する事もできます。

 ■大学4年制ルート
4年制大学ルートは、通常、言語聴覚士の専門知識を深く学ぶための包括的なカリキュラムを提供します。このルートでは、言語聴覚士に必要な理論や実践的なスキルを幅広く習得することが期待されます。
4年間のプログラムは、言語聴覚士として必要な知識やスキルを十分に習得する事ができます。大学の研究施設や教員の指導のもとで研究に参加する機会があり、大学卒業時には「学士」という肩書も手に入れることができます。大学卒業後は言語聴覚士としての職場だけでなく、教育機関や研究機関などでのキャリアも追求できます。

4年制大学で言語聴覚士を目指すメリットとしてはカリキュラムが充実しておりじっくりと専門的な分野を学ぶことが出来る。また逆にデメリットとしてはその分、学費が多くかかるという点があります。


 短期大学3年制ルート
短期大学は最短で現場を目指したい!それにプラスし教養も学びたい!という方にオススメです。
4年制大学と同じように、専門科目とともに教養科目なども学べますが、3年間しか学べる期間がないのでカリキュラムとしてはとてもタイトになってきます。

短期大学で言語聴覚士を目指すメリットは最短の3年で免許を取得できるチャンスがあるという事と大学同様の教養科目が学べることです。デメリットとしては、現在全国に言語聴覚士を学べる短期大学が3校しかないので選択肢がかなり限られることになります。

 専門学校3年制・4年制
専門学校の3年制は短期大学と同様、最短で現場を目指したい方にオススメです。専門的科目を集中的に学ぶカリキュラムになっていますので効率的な勉強を行う事ができます。また、3年制の専門学校は履修期間が1年短いので、そのぶん学費は安くなります。デメリットとしては3年という短い期間の中に覚える事がたくさんあるので、勉強面で大変になってきます。また就職が決まってからの初任給でも多少差が出てくる場合もあります。

専門学校の4年制は3年制よりも学ぶ期間が長い分余裕持って勉強することができます。国家資格試験対策もじっくりと取り組むことができる為、教員が積極的にサポートしてくれる学校もあるので試験に受かるか不安という方でも学んでいくことができます。また、4年制の専門学校を卒業すると「高度専門士」が授与され大学卒業と同等の学力があると認められ大学院へ進学も可能となります。デメリットとしては 4年制のプログラムは、3年制と比較して学習期間が長いため卒業までに時間がかかってしまい学費が高くなってしまいます。現場に出るのが遅くなるので将来のキャリアを開始するまでの期間を延ばすことになります。

専門学校で言語聴覚士を目指すメリットは実務に役立つ専門知識を集中的に学ぶのでいち早く知識を身につけられます。職場で言語聴覚士の仕事を体験できたり、授業内容や就職について相談しやすいところや、国家試験対策や就職支援を重視しているところが魅力です。デメリットとしては専門外の一般教養がないため幅広い分野の学習が行えない事となります。


■大学・大学院の専攻科/専門学校2年制
一般な4年制大学を卒業した方のみ受験可能です。
大学・大学院の専攻科あるいは専門学校で2年間と短い期間ではありますが、一般教養の科目がなく高度な専門的な授業が行われるので臨床での即戦力としての活躍が期待されます。この学習プログラムを修了することで、言語聴覚士国家試験の受験資格が得られます。

3.言語聴覚士取得までの費用や期間

   ルートによって異なる為下記の表を参考にして下さい


   ※上記表はあくまで目安の為、学校等によって異なるので詳細の金額等は、各学校にお問い合わせください。

 ■資格取得に一番金額が安いルートは、国立大学4年制ルートになります。
  その次に安いルートは短期大学、専門学校、私立大学となります。

 ■資格取得に一番期間が短いルートは、大学・大学院の専攻/専門学校2年制、短期大学、専門学校3年制になります。
  
 ※夜間学校は働きながら言語聴覚士を目指す方に向いてます。夜間学校は基本的に2年間のプログラムで、入学条件としては4年制大学の卒業または卒業見込みが必要です。働きながらの通学になるので、学費などの金銭面を考慮するとメリットも大きくなります。授業の時間が短くなるため、勉強時間のやりくり、職場の理解、実習を受ける為の長期休みの調整等が必要になってきます。

【言語聴覚士試験】
  ・年1回
  (※「基礎科目…100問」「専門科目…100問」の2科目によって構成。マークシート方式で試験の配点は1問1点の配点で200点満点です。基本的には60%にあたる120点以上が合格基準となっています。)
  ・試験の日程 毎年2月下旬。午前と午後があり計300分。出題数200問。
  ・受験料:38,400円
  ・登録料:登録免許税9,000円

4.言語聴覚士の働き方

■言語聴覚士の仕事内容

言語聴覚士の仕事内容は、
「話す」「聞く」「食べるおよび嚥下(飲み込み)」に分類されます。
言語聴覚士によるリハビリは医師の指示の下で行われていきます。
下記では項目別に具体的な仕事内容をご紹介します。

主に言語やコミュニケーションに関する障害、および嚥下(飲み込み)の問題を評価し、治療する専門職です。言語聴覚士は、病院、クリニック、学校、介護施設、リハビリテーションセンターなど、さまざまな医療および教育環境で働いています。

【話すことを助ける】
「言語障害の評価と治療」
 ・言語の理解や表現に問題がある子供や大人に対して、言語能力を評価し、適切な治療を行います。
 ・失語症などの脳損傷による言語障害にも対応します。
 ・具体的には、言葉を覚える練習や、言いたいことをうまく伝える練習をします。

「音声障害の評価と治療」
 ・声の質、ピッチ、ボリュームなどに問題がある場合、音声の評価を行い、適切な治療を提供します。
 ・喉頭の疾患や機能障害に関連する音声の問題も対象となります。

「発音・発語障害の評価と治療」
 ・誤った発音や滑舌の問題を評価し、適切な発音や発語を指導します。
 ・言葉の発達が遅れている子どもや、脳卒中などで言葉をうまく使えなくなった大人に対して、言葉の理解や表現を向上させるための練習を行います。
 ・吃音やどもりに対して、スムーズに話すためのテクニックを教えたり、リラクゼーション方法を練習したりします。

【聞くことを助ける】
「聴覚障害」
 ・聴力が低下している人や、難聴がある人に対して、聞くための訓練や補助器具の使い方を教えます。

「聴覚処理障害」
 ・音をうまく理解できない人に対して、音の認識や理解を助ける訓練を行います。

「補聴器や人工内耳の適応」
 ・補聴器や人工内耳を使用する人が、これらの機器をうまく使いこなせるようにサポートします。

【食べる・安全に飲み込むことを助ける】
 「嚥下(えんげ)障害」
 ・食べ物や飲み物を飲み込むのが難しい人に対して、嚥下機能を評価し、飲み込みを助けるための訓練やリハビリを行います。高齢者や病気の後遺症で飲み込みが難しくなった人が対象です。
 ・飲み込みやすい食べ物の選び方や、食べ方の工夫を指導します。

「誤嚥(ごえん)防止」
 ・食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまうのを防ぐためのトレーニングを行います。これは窒息や肺炎を防ぐために非常に重要です。

「食事の安全性向上」
 ・安全に食事を楽しむための方法を指導します。例えば、特定の姿勢や食べ方の工夫を指導し、安全に食べられるようにサポートします。


■言語聴覚士の活躍の場

主に下記の様な場所で活躍されている方が多いです
・医療機関(総合病院、一般病院、リハビリテーション病院、クリニックなど)
・介護施設(介護保険老人施設、居宅サービス事業所、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション、医療と介護の施設の複合施設など)
・福祉施設(障害者福祉施設、児童福祉施設、療育施設、放課後ディサービス、保健所、医療と福祉の施設の複合施設など)
・教育        (小中学校、高等学校、一般の大学・専門学校、言語聴覚士指定養成所、特別支援学校など)
・研究機関(研究施設、医療機器メーカーなど)


■言語聴覚士の平均給料は?

言語聴覚士の初任給
言語聴覚士の初任給は男女ともに平均約23万円程度となります。これは厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」の経験が0年の作業療法士の給与を参考にしたものとなります。
賞与が約4.7万円となるため、年収は約280万円程度となります。

言語聴覚士の平均年収は年齢が上がるにつれて上がっていく傾向にあります。20代前半ではおおよそ335万円、後半になると約390万円になります。また30代前半になると約420万円、後半では456万円となり、平均年収の430万円に達するのは30代頃となります。

5.まとめ

言語聴覚士として働くためには、「言語聴覚士国家試験」を受験し免許を取得する必要があります。
病気や障害を持っている方に対して【話す・聞く・食べる・認知する】などの行為が困難な人々を支援するリハビリの専門職として、キャリアアップも目指せ将来性もある仕事として働く事が可能です。
言語聴覚士として成長・活躍できる職場が見つかると良いですね!

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